野犬の里親になろうとお考えの方々へ【3】

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野犬の里親になろうとお考えの方々へ【3】

前回の続きです。

じゃあ迎え入れてからはどうしたらいいのかっていう話なんですけれども、野犬を迎え入れた時、落ち着けるように寝室をこしらえたろうとお考えになる方は多いと思います。
ちゃんと寝れるように、ってね。

でもそれも大事やねんけれども、奥まったところにクレート入れたりとかして、なかなか出てこないようなところ、姿を完全に隠せるようなところに、良かれと思って寝室をこしらえてあげると、やはりそこから向き合わない。そこから出ないですよね。
そんな場所があれば絶対出るのは嫌になりますよ。
「リスクが高い」って思ってるもんね。

別に人間がいじめる訳じゃないよ。
せやけども、そこに身をさらすっていうことに対して凄く抵抗がある訳じゃないですか。
そして全然出てこないから、出ておいで〜って言うてね、それこそ手を入れたりとかすると、手のイメージもっともっと悪なりますやんか。
だから僕はそういう子の場合は晒してあげるような感じがいいと思っています。

例えば、部屋の角でもいいから見れる範囲のところに、出ないように柵だけ設けてあげて、そこにベッドを引いてあげます。
吹きさらしというか家の中でオープンな場所、見えるような場所で、隠れれない場所で寝室をこしらえてあげる。
そういう警戒心の強い子はね、これくらいオープンな場所の方が僕はいいと思います。
最初はそういう感じの方が向き合いやすいかなっていう風に思います。

 

そして家に迎えて最初の時からね、首輪とリードは付けておくのをおすすめします。
別にね、何をするって訳じゃないです。
持っておくだけでいいから、ずっと近くにいさせるいる事で「この距離でもあなたは安全ですよ」ということ、「私はあなたの敵じゃないですよ」っていうのをまずしっかり教える必要があります。

で、特に野犬の子犬きたからって慣らそう慣らそうと思ってみんなワーってやってしまうととものすごく負荷かかるからやめてあげて下さいね。
要は自分から「この距離でも大丈夫やった」とかいう風に時間をかけて思わせてあげるのが1番ですから。
そしたらだんだん「この人の横なら座れる」「落ち着いて伏せとける」という風に飼い主が動いても声出してもその距離で安心していれるようになるから。
人が動いてもびっくりしなくなってきたりとかね。
警戒心が強い子はそういうことから始めて、一緒に居る時間を長くして下さい。
そんな風にしていって、ちょっとずつ距離を縮めていってあげるのがベストです。

そんな風にまずは飼い主さんとの絆を作っていきましょう。第1の絆ですね。
あのね野犬の子供っていうのは、まずもう現時点で親犬の元から離されてる訳ですよね。
それってまずその子達は、野犬のお母ちゃんとの第1の繋がり、要は第1次の絆がちゃんと最後まで育たんままに来てる訳ですから、第1次の関係を飼い主さんと結んであげる必要があります。
で、次に家族以外の人達の第2次の関係があるわけです。

ちゃんと第1次があるからこそ、第2次の関係が作れるわけなんですよね。
本当言うとね、ブリーダーさんとかであれば通常は親犬と子犬にまず第1次の関係があって、ブリーダーさんと子犬が第2次の関係を結んで、で飼い主さんが第3次っていうように増えてくる訳ですよね。
やっぱり第1次の関係がすっとばすと、第2次の関係は結びにくいんですよ。

だから必ず最初にしてあげることがさっき言ったように距離を縮めてあげる練習。
大丈夫よってことを教えてあげて、愛情を与える。
その第1次の関係が非常に大事ですよ。

でも、逆に次は第1次の環境だけが長すぎたら、第2次の環境に行けなくなってしまうんですよ。
成長に応じて待ってあげて、時間をかけ過ぎてしまうと、もう違う人にはなかなか懐かなくなってしまいます。
だから極力ですね、第1次の関係を早く作ってあげて、第2次として外に出た時に人に触ってもらうっていうのがいいと思います。
要は第1次の関係を作りながら「いけるな」と感じたら、すぐに第2次の関係を結んであげないと、第1次の関係で癒着するぐらいそこで長い期間のスパンをキャリアを積んでしまったら、家族以外の人には慣れませんっていう風になってしまう場合がありますから、そうなる前に次の人、次の人に展開していくってのはすごく大事だなっていう風に僕は思ってます。

 

野犬というのは皆さんが思っているよりか、もっともっと過酷な環境で育っているわけですから、本当に野犬の里親になると決めた方は、そこもちゃんと考慮して、そんな子達の里親になるんだなということを頭に入れてほしいなと思っております。

ぜひ参考にして下さいね。

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最後までお読み頂きありがとうございました。
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